「Power Automate Desktopで作った業務フローを他のメンバーに共有したいけど、無料版だとどうすればいいの?」と悩んでいませんか?
Power Automate Desktop(パワーオートメイト)の無料版では、有料版のように直接フローを他のユーザーと共同編集する機能がありません。
そのため、フローを共有するには手動でのやり取りが必要になります。具体的には、以下の方法が利用できます。
1. 無料でできるフローの共有方法
Power Automate Desktop無料版では、以下の方法でフローを共有できます。
✅ 「作成したフローをコピーしテキスト貼付する」
作成したフローをコピーする方法
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Power Automate Desktopの「フロー」の上で、Ctrl+A(すべて選択)
フローが画像のように暗くなれば選択が成功しています。
この状態で、Ctrl+C(コピー)で、フローがコピーされます。 -
メモ帳を開き、Ctrl+V(貼付)。フローがコピーされます。
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共有先のパソコンでPower Automateを立ち上げて「新しいフロー」を作成します。メモ帳を開き、Ctrl+A(すべて選択)&Ctrl+C(コピー)
- 右クリック→貼付(Ctrl+Vでも可)で貼り付けます。
この方法を使えば、無料版でもフローを別のユーザーや環境に引き継ぐことが可能です。
2. 無料版のフロー共有で気をつけること
無料版のフロー共有にはいくつかの注意点があります。これを理解しておかないと、運用時にトラブルが発生する可能性があります。
💡 パスの再設定が必要
Power Automate Desktopのフローには、環境依存の要素(フォルダパス、PCのユーザー名、ファイルの保存場所など)が含まれます。しかし、コピー&ペーストで共有した場合、こうした設定は引き継がれません。
そのため、共有先のPCでフォルダパスや認証情報を手動で再設定する必要があります。これを怠ると、フローが正しく動作しない原因となります。
💡 フローの変更は同期されない
コピー&ペーストでフローを共有する場合、元のフローとは独立したコピーが作成されるため、変更があっても自動で同期されません。
例えば、フローの作成者が修正を加えても、共有先のメンバーには反映されないため、最新のフローを都度手動で共有し直す必要があります。
💡 運用ルールを決めておかないと混乱する
フローを複数人で管理する場合、誰が最新のフローを持っているのか、どのバージョンを使用しているのかを把握しないと、混乱を招く可能性があります。そのため、適切な管理ルールを決めることが重要です。
3. フロー共有をスムーズにするための運用ルール
📝 バージョン管理をする
フローの変更履歴を管理するために、Googleスプレッドシートなどのツールを活用し、「誰が、いつ、どこを変更したか」を記録しておきましょう。例えば、以下のようなフォーマットで管理できます。
変更日 | 変更者 | 変更内容 |
---|---|---|
2024/03/16 | 佐藤 | 承認プロセスを追加 |
2024/03/20 | 鈴木 | メール通知機能を修正 |
🛠 変更があったら必ず通知
変更を共有せずに運用を続けると、異なるバージョンのフローを使用してしまい、意図しないエラーが発生する可能性があります。TeamsやSlackに専用チャンネルを作成し、「フロー更新のお知らせ」を投稿する仕組みを作るとよいでしょう。
例:Slack通知メッセージ
🔄 フロー更新のお知らせ
変更者:佐藤
変更内容:承認プロセスを追加
適用日:2024/03/16
👥 定期的にフローの確認をする
フローの管理が属人的にならないよう、月1回などの頻度でチーム内でフローの確認を行うことを推奨します。最新のフローがどれなのか、誰がどのフローを管理しているのかを整理する場を設けましょう。
まとめ
Power Automate Desktopの無料版でも、フローをコピー&ペーストすることで共有できます。しかし、「環境依存の設定が引き継がれない」「変更が同期されない」といった課題があります。
これらの課題を解決するために、「パスの再設定」「バージョン管理」「変更通知」といった運用ルールを整えることが重要です。適切な管理体制を構築することで、スムーズなフロー共有が可能になります。
無料版での運用が難しくなった場合は、有料版の導入も検討してみるとよいでしょう。
▼異動・退職でフロー共有が必要になった場合には、マニュアル作成の記事も参考にしてください。
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