RPA(Robotic Process Automation)を使う上で欠かせない概念の一つが「変数」です。変数とは、プログラム内でデータを格納しておくための「箱」のようなものであり、これを上手に活用することで、RPAの運用効率が飛躍的に向上します。今回は、RPAツールの「Power Automate」での変数の設定方法と活用シーンについてご紹介します。
変数とは?基本的な使い方
変数は、プログラムやRPAでよく使われる概念で、値を保存しておくための「名前付きの箱」と考えることができます。Power Automate Desktopを利用する際も、変数を上手に使うことで、シンプルで柔軟なフローを作成できます。
例えば、Power Automateでは「変数の設定」アクションを使って、変数名とその値を指定できます。例えば、変数名を「plus」、その値を「1」と設定した場合、以降この「plus」という変数名を使うことで、RPAはその部分に「1」という値を認識して動作します。
具体的には、Power Automate Desktopの画面上で「%plus%」と入力すると、RPAはこの部分を「1」と解釈して実行します。実際には、値が直接記入されている場合よりも、変数を使った方が効率的で柔軟な運用が可能です。
変数の実務的な活用方法
1. ファイル名やユーザー名の管理
日々の業務では、Excelファイルの保存場所やユーザー名が変更されることがあります。これを変数に格納しておくと、RPAのフロー内で変数を更新するだけで対応可能になります。もし、ファイル指定を直接行っていた場合、変更ごとに手動で更新する手間がかかりますが、変数を使うことで手間が大幅に削減されます。
例えば、ファイル名にユーザー名を反映させる際、変数「user_name」にユーザー名を格納し、「%user_name%_file.xlsx」と指定することで、ユーザー名が変わった場合も変数を更新するだけで簡単にファイルパスを修正できます。
2. 変数の値を動的に増減させる
Power Automateでは、変数の値を増減させることも可能です。これにより、反復処理や繰り返しの作業が効率化されます。例えば、ループ内で変数「counter」の値を1増やすことで、作業が何度も繰り返され、毎回の繰り返しで異なる値を使うことができます。
例えば、「counter」の初期値を「1」と設定し、ループを1回実行するごとに「counter」を1増加させることで、ループの回数に応じた値を処理することができます。これを活用すると、繰り返し作業や定期的な処理が効率よく行えます。
3. 動的な値の処理
業務によっては、処理を行うタイミングで動的に変わるデータがあることがあります。たとえば、毎月異なるExcelファイルを開かなければならない場合、「今月のデータ」や「来月のデータ」といった変化する値を変数に格納し、RPAに動的に対応させることが可能です。
たとえば、「today」関数や「month」関数を利用して、現在の日付や月を取得し、その値を変数に格納します。次に、「%month%_data.xlsx」といった形でファイル名に変数を使うことで、毎月異なるデータを自動で処理することができます。
このように、変数を活用することで、毎月異なるデータの処理や日々変化する作業に対しても柔軟に対応することができます。
変数活用で業務効率化
Power Automateにおける変数は、非常に便利で業務効率化をサポートしてくれます。ファイル名の変更や動的なデータ処理、反復作業の効率化に至るまで、変数を上手に使うことで、RPAフローを柔軟に対応させることができます。
最初は「変数の使い方が難しそう」と感じるかもしれませんが、慣れてくるとその効果を実感できるでしょう。作業の繰り返しやファイル操作、動的な処理など、日々の業務の中で発生する様々なシーンにおいて、変数を使うことがRPAを効果的に活用するための鍵となります。
まとめ
RPAを活用する上で、変数の使い方を理解し、実務に生かすことが業務効率化のポイントです。Power Automate Desktopを使用すれば、変数を使って柔軟かつ効率的な自動化フローを作成できます。これからRPAを活用していこうと考えている方は、変数の活用方法をぜひ習得し、業務の改善に役立ててください。
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