日常業務で頻繁に発生するのが、サイトからダウンロードしたデータを加工する作業です。RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)を使えば、この一連の作業を自動化できますが、私はExcel関数を活用することが多いです。
理由としては、ダウンロードデータの仕様が変わった場合の修正が容易であることや、RPAに任せきりにせず、データのチェックを入れられることが挙げられます。ただし、データのダウンロードから貼付までの作業は自動化しておいた方が効率的な場面が多い為、今回は、Power Automate Desktop(パワーオートメイト)を活用して、ダウンロードデータを自動的にExcelに貼り付け、加工する方法を紹介します。
1. Excelの準備
まずは、データの貼り付け先となるExcelを準備します。
今回の加工内容:
- 貼付先のシートにデータを貼り付けると、加工後のシートでは列AとBが逆になるように設定
貼付先シートは、ただデータを貼り付けるだけのシートになります。 加工後シートは、IF関数を使い列を入れ替えています
2. Power Automate Desktopでサイトにログインし、データをダウンロード
サイトごとにダウンロード方法が異なるため詳細は割愛しますが、
「Webレコーダー機能」を使ってダウンロードボタンをクリックする動作を記録すると、簡単に自動化できます。
レコーダーの利用方法は基礎編で紹介していますのでご覧ください。
3. フォルダ内の最新ファイルを取得
ダウンロードしたデータは通常、「ダウンロードフォルダ」に保存されます。
Power Automateで最新のファイルを取得するには、次の設定を行います。
詳細設定
- アクション: 「フォルダ内のファイルを取得」
フォルダ内のファイルを取得 - 並べ替え基準: 「最終変更日時」
- 降順: 「チェックを入れる」
詳細
この設定により、最新のファイルを取得できます。
Power Automateの「生成された変数」には「Files」というリスト変数が格納されており、最新のファイルはFiles[0] になります。
4. ダウンロードしたExcelファイルを開く
「Excelの起動」アクションを追加し、以下のように設定します。
この設定で、最新のExcelファイルを開くことができます。
※今回はわかりやすくするためにExcelインスタンス名を変更していますが、区別がつけばデフォルトでも問題ありません
5. Excelワークシートのデータを取得
ダウンロードしたExcelのデータを取得するには、次のアクションを追加します。
-
ワークシートの読み取り すべてのデータを取得
この変数 ExcelData
に、ダウンロードデータの内容が格納されます。
6. 貼り付け先のExcelファイルを開く
次に、加工用のExcelファイルを開きます。
7. 貼り付け先のシートをアクティブにする
「アクティブなExcelワークシートの設定」アクションを追加し、以下のように設定します。
8. 貼り付け先のシートのデータを削除
貼り付け前に、過去のデータを削除しておきます。
通常、最終行・最終列を取得して範囲指定するのが一般的ですが、今回は例として適当な範囲を指定しています。
9. 貼り付け先のシートにデータを貼り付け
最後に、ダウンロードしたデータを貼り付けます。
まとめ
Power Automateを活用することで、ダウンロードしたデータを自動でExcelに貼り付け、加工する作業を効率化できます。今回の例ではEXCELでの加工も踏まえましたが、単純に請求書データをダウンロードして保存するような場面でも利用できます。
また、RPAを導入することで、業務時間を削減し、人的ミスを減らすことが可能です。
特に小規模事業者や一人経理の方にとって、業務負担の軽減は重要なポイントとなるため、ぜひ活用してみてください。
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