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freee会計導入で失敗する理由とその対策[資金移動/二重計上防止]

freee会計導入で失敗する理由とその対策[資金移動/二重計上防止]

freee会計を導入しようとして失敗するケースは少なくありません。その大きな理由の一つに、「freee会計の仕組みを正しく理解できていない」という点があります。

導入を検討する人の多くは、簿記の基礎知識を持ち、ITにも慣れているはずです。しかし、それでも運用がうまくいかず、混乱することが多いのはなぜでしょうか?

その理由は、freee会計の仕訳のイメージがつかみにくく、間違えたときにどのように修正すればよいのかが分かりにくいためです。これはfreee会計を苦手とする税理士が多い理由の一つにもなっています。

ここでは、代表的な二重計上のケースである「資金移動の二重計上」と「カード払いの二重計上」について、それぞれの原因と解決策を解説します。


① 資金移動の二重計上

簿記の基本ルールでは、たとえばA銀行からB銀行へ資金を移動した場合、通常の仕訳は以下のようになります。

通常の仕訳

普通預金(B銀行) / 普通預金(A銀行)

freee会計での問題点

クラウド会計では、A銀行もB銀行も口座連携されているため、それぞれの口座の取引データを取り込むと、同じ取引が二重計上されるリスクがあります。

たとえば、freeeの「自動で経理」機能を使って口座明細を登録すると、以下のような仕訳が作成されます。

A銀行側の仕訳
普通預金(B銀行) / 普通預金(A銀行)

B銀行側の仕訳
普通預金(B銀行) / 普通預金(A銀行)

この結果、資金移動額が倍になってしまいます。

解決策:資金移動口座を作る

この二重計上を防ぐために、「資金移動口座」を作成し、資金移動時の仕訳を以下のように整理します。

資金移動口座の作成方法

  1. 「口座」メニューを開く
  2. 「口座一覧・登録」を選択
  3. 「現金・その他」タブを開く
  4. 「資産の口座を登録する」を選択
  5. 口座名を「資金移動」にする
  6. 登録を完了するfreee会計導入で失敗する理由とその対策[資金移動/二重計上防止]freee会計導入で失敗する理由とその対策[資金移動/二重計上防止]

正しい仕訳の方法

上記の設定を行った上で、A銀行側で資金移動へ口座振替、B銀行側でも資金移動を口座振替します。


資金移動 / 普通預金(A銀行)

普通預金(B銀行) / 資金移動

このように処理することで、資金移動が相殺され最終的に以下の正しい仕訳が完成します。

普通預金(B銀行) / 普通預金(A銀行)

なお、この方法はMF会計など他のクラウド会計ソフトでも応用できますので設定の参考にしてください。


Amazon購入とカード明細の二重計上

問題の発生パターン

Amazonのビジネスアカウントなどを利用している場合、Amazon側の取引クレジットカードの取引の両方がfreee会計に連携されることがあります。

たとえば、DCカードを使ってAmazonで5,000円の備品を購入した場合、以下の仕訳が発生します。

Amazon側の仕訳(Amazon口座の連携から登録)
消耗品費 / 未払金(Amazon口座)

DCカード側の仕訳(DCカード口座の連携から登録)
消耗品費 / 未払金(DCカード口座)

この結果、同じ5,000円の消耗品費が2回計上され、合計10,000円になってしまいます。

解決策:DCカードの仕訳を修正する

この場合、Amazonをそのままにして、DCカード口座のほうで仕訳したものを修正する必要があります。

DCカードの仕訳修正前
消耗品費 / 未払金(DCカード口座)

DCカードの仕訳修正後
未払金(Amazon口座) / 未払金(DCカード口座)

訂正するためには、DCカード口座側で、口座振替機能を使用して振替元を修正します

修正手順(口座振替の設定)

  1. 口座振替」を選択
  2. 振替元を「DCカード口座」、振替先を「Amazon口座」に設定

    freee会計導入で失敗する理由とその対策[資金移動/二重計上防止]

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    わかりにくいですが、仕訳プレビューで確認すると、AMAZON/DCカードという仕訳が立っています。つまり未払金が相殺されています。

この処理を行うことで、Amazonの未払金と費用計上が消え、最終的に正しい仕訳が完成します。

最終的な支払いはDCカードの未払金を消し込みますので、総合すると、

消耗品費 / 未払金(AMAZON)(Amazon口座から連携)

未払金(AMAZON) / 未払金(DCカード)※DCカード口座仕訳修正

未払金(DCカード) / 普通預金

これにより、費用の二重計上を防ぐことができます。


freee会計の「重複チェック機能」で重複のチェック

それでも二重計上を防げなかった場合は、freee会計の「重複チェック」機能で、仕訳の重複を確認することができます。

①取引→取引の一覧・登録→重複チェックを開く

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②期間指定して実行

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③重複可能性のある仕訳がリストアップされます。重複かどうかを判断し、右のボタンより修正処理を行うことができます。

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freee会計を導入するなら二重計上をチェック・理解し修正することが重要

freee会計をスムーズに導入するためには、以下のポイントを押さえる必要があります。

  • 「自動で経理」がどのように仕訳を作るのかを把握する
  • 口座連携による二重計上のリスクを理解し、適切に資金移動勘定を活用する
  • 修正が必要になったときの対処方法を学ぶ(資金移動・Amazon購入の処理)

freee会計は、正しく使えば非常に便利なツールです。しかし、導入時に仕訳の動きを理解しないまま運用すると、二重計上による混乱につながります。

クラウド会計の特性を理解し、適切に活用することで、freee会計を最大限に活かすことができるでしょう。

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