ファイル共有の際、SharePointやクラウドストレージを活用するケースが増えています。しかし、使い勝手の観点から、共有フォルダを利用する場面も多いでしょう。ところが、共有フォルダは誰でもアクセスできるため、誤ってファイルを削除されたり、勝手に変更されたりするリスクがあります。
そんなときに便利なのが、Power Automate Desktop(PAD) を活用したバックアップ自動化です。本記事では、PADを使ってフォルダ内のファイルを自動でバックアップする超シンプルな方法をご紹介します。
Power Automate Desktopでバックアップを自動化するメリット
-
手作業不要でバックアップを自動化
- ファイル名に日付を追加し、履歴管理も簡単
-
サブフォルダのデータもまとめてバックアップ
それでは、具体的な設定方法を解説します。
【設定手順】Power Automate Desktopでフォルダのバックアップを自動化
①現在日付を取得し、テキストに保存する
まず、バックアップフォルダに記載するための現在日付を取得します。
取得した現在日付を利用するためにテキスト化します
②バックアップ用フォルダを作成する
次に、フォルダーを作成するアクションを追加します。
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アクション名: 新しいフォルダーを作成
-
作成先の場所: バックアップ先のフォルダ
-
新しいフォルダー名: %FormattedDateTime%_Backup
-
生成される変数:
%NewFolder%
※%FormattedDateTime%に現在の日時が入ります。これにより、日付ごとにフォルダを作成でき、過去のバックアップと区別しやすくなります。
③ ファイルをコピーする(For Eachを活用)
ファイルをコピーする際、通常のコピーアクションを使うと最初のフォルダのファイルだけが処理されることがあります。そのため、For Each(繰り返し処理)を追加し、フォルダ内のすべてのファイルを順番にコピーできるようにします。
-
アクション名: For Each(繰り返し処理)
-
反復処理を行う値:
%Files%
-
保存先変数:
%CurrentItem%
この設定により、取得したファイルリスト内の各ファイルを順番に処理できます。
▼ループについての詳細はこちらもご確認ください
④ バックアップファイルをコピー
繰り返し処理の中に、ファイルをコピーするアクションを追加します。
-
アクション名: ファイルのコピー
-
コピーするファイル:
%CurrentItem%
-
宛先フォルダ:
%NewFolder%
これで、バックアップ用フォルダにすべてのファイルがコピーされます。
⑤ バックアップ後のファイルを再取得(任意)
コピーが完了したら、バックアップフォルダ内のファイルを取得し、リスト化します。
-
アクション名: フォルダー内のファイルを取得
-
フォルダ:
%NewFolder%
-
生成される変数:
%Files2%
※ デフォルトでは %Files%
という変数が生成されるため、混同を避けるために %Files2%
など別の名前に変更することをおすすめします。
⑥ ファイル名に日時を追加(任意)
バックアップファイルに日時を追加すると、後から見たときにいつのデータかがわかりやすくなります。
-
アクション名: ファイルの名前を変更
-
名前を変更するファイル:
%Files2%
-
名前の変更方法:
日次を追加する
-
追加する日時:
現在の日時
-
区切り記号:
ダッシュ(-)
これにより、例えば report.xlsx
というファイルが report-202402
15.xlsx
のようにリネームされます。
全体フロー
まとめ
Power Automate Desktop を活用し、定期的にバックアップを取りたい場合や、共有フォルダのデータを確実に保護したい場合におすすめです。自動バックアップには有償版へのアップグレードが必要ですが、こちらの手法でも毎日ボタンを押しておくだけでバックアップが可能になります。
【本記事のポイント】
✅ Power Automate Desktopを活用して、ファイルのバックアップを自動化できる
✅ サブフォルダ内のデータも含めてコピー可能
✅ バックアップフォルダを日付付きで作成し、管理しやすくする
✅ ファイル名に日時を追加して、バージョン管理を簡単に
「手間をかけずに定期的なバックアップをしたい」「ファイルを自動で整理したい」という方は、ぜひこの方法を試してみてください!
▼フォルダごと階層を保ったままコピーしたい方はこちら
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