経費申請のたびに紙の書類を作成し、確認・承認・保管といった作業に時間を取られていませんか?
そんな手間を減らし、完全無料で経費申請をデジタル化できる方法があります。それが、Googleフォームを活用した申請フローの構築です。
この記事では、Googleフォームを使った経費申請の仕組みや設定方法を詳しく解説します。
また、無料で利用する際の注意点として、紙の書類も残しておくべき理由についてもご紹介します。これを読めば、すぐに簡単な経費申請フローを構築できます!
Googleフォームを使うメリット
1. 完全無料で導入可能
GoogleフォームはGoogleアカウントさえあれば無料で利用できます。特別なシステム導入の必要がなく、月々のコストもゼロです。
2. カスタマイズが自由自在
申請フォームに必要な項目を自由に追加できます。例えば、
-
申請者名
-
経費の種類
-
金額
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領収書の添付
といった情報を、会社の運用に合わせて設定できます。
3. 領収書をGoogleドライブに保存
申請時に領収書を添付すれば、自動的にGoogleドライブに保存されます。これにより、証憑の管理がデジタル化され、検索や共有が簡単になります。
4. スマートフォンからも簡単申請
Googleフォームはスマホでも操作可能なため、出先からでも申請できます。紙の書類を提出する手間がなくなり、効率的に運用できます。
5. Google Apps Script(GAS)で承認フローを自動化
Google Apps Scriptを活用すれば、承認された際に自動で通知を送ることも可能です。
📝Googleフォームで経費申請を作成する手順
1. Googleフォームの作成
Googleドライブを開き、「新規」→「Googleフォーム」を選択し、フォームを作成します。
2. フォームのカスタマイズ
必要な項目を追加し、領収書の添付欄を設けます。必須項目を設定することで入力漏れを防げます。
領収書を添付するため、ファイルのアップロードの項目を設ける際に、以下のような表示がでることがありますので次に進むを選択してください。
3. 回答をGoogleスプレッドシートに記録
「回答」タブから「スプレッドシートにリンク」をクリックし、申請データが自動的に記録されるようにします。
新しいスプレッドシートにシート名を記述し作成を押します
4. フォームの設定
設定タブより、回答の設定をします。
「回答の編集を許可する」をONにしておいてください。
回答者(経費申請者)は、フォームを送信した後「別の回答を送信」を選択することで何度でもフォームの送信ができるようになります。
5. フォームの公開と周知
右上の「公開」ボタンをクリックします。
共有先のメールアドレス(Gmailアカウント)を入力して、従業員に共有します。
共有した後でやっぱりフォームの編集をしたくなった!という場合は、
編集後右上の「公開」ボタンを再度クリックすることで再共有が可能です。
フォーム回答が行われると、下図のように回答が自動的に記録されます。
GASを使った自動通知の実装
GASを使うことで、経費が承認されたことを従業員に自動で通知することができます。
例えば、上長が経費申請を確認後、K列に「確認済」と記入すると、その内容がGASによって処理され、毎日13時に情報を取得し、J列に記載のメールアドレス(従業員によってフォーム回答されたもの)に、承認通知が送信されます。
コードの記録は、Googleスプレットシートの拡張機能→Apps Scriptから行えます。
以下のコードをエディタに貼り付けます。
▼【参考】GASとは?初回導入手順はこちら
トリガーの設定
スクリプトを入力したら一度実行後に、トリガーを設定します。
左側の時計のマーク(トリガー)をクリックし、左下の+トリガーを追加から設定してください。
関数を選択し、時間主導型:日付ベースのタイマー、午後13時に設定します。
Googleドライブでの領収書保存は、電子帳簿保存法の要件を満たせる?
結論からいうと無料版では不可、有料版で可能になります。Googleドライブには、データの編集・削除履歴を確認できる機能がありますが、無料版では削除されたデータを復元することはできません。
Google Workspace Business Plus以上であれば「Vault」機能が利用でき、従業員が削除したデータも管理者が閲覧可能となります。
▼参考
電子帳簿保存法の対応はGoogleドライブでも可能?適切な対応方法やWorkspaceのプランを解説 | マネーフォワード クラウド
したがって、無料版で利用する場合には、紙の領収書も並行して保管しておくことを推奨します。
無料版では電子帳簿保存法の要件を満たしませんが、領収書の内容を確認しながら入力できる点や、承認フローとの連携、共有のしやすさ、勘定科目の設定、会計ソフトとの連携といった利便性を考慮すると、Googleフォームを活用した経費精算には十分なメリットがあります。紙での精算に比べ、大幅な効率化が期待できます。
※紙の領収書の保存方法
保存方法については、何か月か分をまとめて保管し、手が空いたときに日付順にコピー用紙やノートに貼るのがおすすめです。
電子化すると紙ベースでは見返す機会がほとんどなく、主に税務署の調査に使用する程度のものなので、上からギチギチに貼ってしまって問題ありません。
まとめ
Googleフォームを活用すれば、無料で経費申請のデジタル化が可能です。さらに、GASを活用することで申請・承認フローを自動化し、業務の効率化が図れます。
ただし、電子帳簿保存法の要件を満たすためには、Google Workspace Business Plus以上のプランを利用するか、無料運用の場合は紙の書類も併せて保管することが重要です。
ぜひ、Googleフォームを活用して、経費申請を効率化してみてください!
▼Google Appsheetとの比較
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