日々の経理業務では、為替レートを調べて記録する作業が発生することがあります。1つ調べるだけなら一瞬ですが、複数の通貨をチェックしたり、Excelで計算・加工したりする場合、手間がかかります。そこで、Power Automate Desktop(PAD)を活用して自動化すると、業務の効率が大幅に向上します。
本記事では、UI要素の取得とWebからテキストを取得する方法を利用し、Yahoo!ファイナンスから為替レートを取得してExcelに書き込む手順を解説します。
1. Power Automate Desktopで為替レートを取得する手順
① Chromeを起動してYahoo!ファイナンスの為替ページを開く
まず、Power Automate Desktopで新しいChromeを起動し、Yahoo!ファイナンスの為替ページ(https://finance.yahoo.co.jp/fx)を開きます。
② UI要素を取得して通貨を選択
UI要素とは、「次に操作する場所を指定する仕組み」です。これにより、ドロップダウンリストの特定の通貨を選択できるようになります。
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「Webページのドロップダウンリストの値を設定」アクションを追加します。▽のところをクリックし、UI要素の追加を選択してください。
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UI要素ピッカーを使って、ドロップダウンリストを選択します。Webサイトに赤枠が表示されるので、クリックしたいところをCtrl+クリックして取得します。
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UI要素の取得ができたら、操作を「名前を使ってオプションを選択」に変更し、オプション名を例えば「台湾ドル」に設定します。
③ 「計算」ボタンをクリック
次に、「計算」ボタンをクリックするアクションを追加します。
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「Webページのリンクをクリック」アクションを追加します。
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UI要素ピッカーを使って、「計算」ボタンを取得します。先ほどと同様の手順でUI要素を取得してください。
これにより、選択した通貨の最新為替レートが表示されるようになります。
④ 為替レートを取得する
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「Webページからデータを抽出」アクションを開きます。
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自動的にライブWebヘルパーが起動します。
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為替レートが表示されている数値部分にオンマウスすると赤い枠が表示されるので、右クリックし「要素の値を抽出」→「テキスト(数値)」を選択します。
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「終了」ボタンを押し、データを保存します。
- Webページからデータを抽出する画面に戻ってきますので、必要な項目を追加して保存をクリックします。
⑤ 取得したテキストを数値に変換
取得した為替レートは文字列として保存されているため、数値に変換します。
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「テキストを数値に変換」アクションを追加します。
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変換するデータとして%DataFromWebPage%を指定します。
⑥ Excelを起動し、為替レートを書き込む
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「Excelのワークシートに書き込む」アクションを追加し、先ほど取得した為替レートを特定のセルに書き込みます。
全体フロー
実行後データ
為替レートが取得できていますので、あとは実際の計算業務に利用しましょう。
まとめ
この手順を実行すると、毎日の為替レート取得作業を自動化でき、手作業の手間を削減できます。特に、複数通貨のレートを管理する場合や、為替差損益の計算に活用する場合に役立ちます。
また、Power Automate Desktopのスケジュール実行機能(有料)を活用すれば、定期的に自動で処理を行うことも可能です。
是非、日々の経理業務の効率化に役立ててみてください!
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