Power Automate Desktop(以下、PAD)でExcelを操作する場合、データの取得や簡単なコピー&ペーストであればアクションの追加だけで対応できます。しかし、複雑な操作が必要な場合、標準のアクションだけでは対応が難しいことがあります。
PADはプログラミング知識がなくても利用できるのが利点ですが、アクションの選択に時間を取られ、作業が進まないのは本末転倒です。レコーダーを使ってExcelを操作することもできますが、RPAではExcelに限らず、キー送信を活用した方が安定して動作するケースが多いです。
本記事では、PADでExcelを操作する際に役立つキー送信テクニックを紹介します。
下準備
まず、ウィンドウのUI要素をクリックするアクションを追加し、A1セルを取得します。これにより、A1セルが選択された状態となり、Excelにフォーカスが合ってキー送信が可能になります。
①ウィンドウのUI要素のクリックのアクションを追加し、▽をクリック
②下に表示される「UI要素の追加」を選択し、UIピッカーを立ち上げる。自動的にカーソルを合わせる部分が赤枠で囲まれるので、触りたい部分をCtrl+左クリックで取得
次に、実際にキー送信を活用したExcel操作を見ていきましょう。
① 重複の削除
PADで重複を削除するには、リストやデータベースに格納する必要がありますが、手間がかかるためExcel上で直接処理する方が簡単です。以下の手順で実行できます
PADでキー送信でEXCELを動かすには、「キーの送信」アクションを追加します。
キーの挿入からアクションを追加するか、直接入力することもできます。
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範囲を指定(A1セルからA30セルまでデータがある場合)
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Ctrl + Shift + ↓
(データ範囲を選択)実行するとこのように範囲指定されます。
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重複削除メニューを開く
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Alt + A + M
実際のエクセル画面では重複の削除のウィンドウが立ち上がっています。
tabキーを5回押して、「OK」のところにカーソルを合わせます。
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「OK」を選択
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Tab
×5
追記 {Tab:5}と記載すれば1アクションで5回キー送信できます。
このアクションを5回追加します。
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実行
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Enter
×2回Enterを一回押すと、エクセル画面では下記の表示がされるので、もう一度Enterを押して「OK」で確定します。
- 重複が削除されました。このような形で、別のアクションもキー送信をつかって実行していきます。
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② 検索・置換
PADの標準機能でも置換は可能ですが、データベース形式に格納しなければならず手間がかかります。その場で処理できるキー送信の方が効率的です。
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置換ダイアログを開く
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Ctrl + H
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置換前の値を入力 → Tabキーで次の項目へ移動
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置換後の値を入力 → Enterキーで確定
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すべて置換
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Alt + A
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その他の便利なショートカットキー
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F5 → Alt + S → O
(空白セルだけ選択) -
Ctrl + Shift + L
(フィルターのオン・オフ切り替え) -
Ctrl + Page Down
(次のシートに移動) -
Ctrl + Alt + V
(形式を選択して貼り付け)
【ちなみに】
PADのキー送信はそのまま使うと、キー送信がはやすぎて動作が不安定になることが多いので、キー送信の遅延を活用しましょう。
▼PADでフィルタリング後可視セル(表示されているセル)のみコピーする方法は以下の記事で解説しています。
▼PAD使用時によくあるエラー
まとめ
いかがでしたでしょうか?
PADでExcelを操作する際、キー送信を活用すると安定した動作が実現できます。普段Excelを使うときと同じ感覚で操作できるため、PADのアクションにこだわるよりも作業がスムーズに進むことも多いです。
他にも便利なショートカットキーはたくさんありますので、ぜひ試してみてください!
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