クラウド会計を利用するメリットの一つに、会計情報をリアルタイムで把握できる点があります。以前の記事でも紹介した通り、経営判断を迅速に行えることがクラウド会計導入のメリットの一つでもあります。
しかし、すべてのシステムがクラウド会計とスムーズに連携できるわけではありません。たとえば、古いレジシステムを使用しており、入金が月に数回しかない場合、売上状況をタイムリーに把握するのは難しいのが実情です。メールで情報を送ってもらい、ダウンロードしてアップロードすることは可能ですが、Googleスプレットシートの内容を自動的に取得できたら効率化になります。
そこで今回は、Googleスプレッドシートから売上データを取得し、freee会計に自動アップロードする方法を紹介します。Power Automate Desktop(PAD)を活用し、作業の自動化を実現します。
想定する業務フロー
各店舗にGoogleスプレッドシートを共有し、毎日売上を記入してもらう環境を想定します。 Power Automate Desktopを使用して、毎日Googleスプレッドシートからデータを取得し、freee会計へアップロードする仕組みを構築します(Power Automate Desktopの実行は手動)。
▽googleスプレットシートの主な内容
未計上になっているものを抽出し、インポートしていく流れです。
自動化の手順
1. Googleスプレッドシートのデータを取得
-
Power Automate DesktopでGoogleスプレッドシートのURLを指定し、ブラウザで開く。
-
キー送信を使ってデータを取得する。
※キー送信が速すぎると動作が安定しないため、キー入力の間隔を100ms以上に設定。
-
{Control}{Home}
でA1セルへ移動。 -
{Shift}{Control}{Right}{Down}
で全選択。 -
{Control}{C}
でコピー。
-
2. Excelにデータを貼り付ける
-
Excelを起動し、ウィンドウにフォーカスを合わせる。
-
{Control}{V}
でコピーしたデータを貼り付ける。 -
フィルター機能を使用し、計上状態が「未計上」のデータのみを抽出。
-
{Control}{Home}
でA1セルへ戻る。 -
{Control}{A}
で全選択し、再度コピー。 -
{Shift}{F11}
で新しいシートを作成。 -
{Control}{V}
で貼り付け。 -
Excelを保存し、閉じる。
ここまでで、freee用にインポートする用のエクセルデータが完成しました。
3. freee会計へデータをアップロード
-
freee会計のログインページへ移動。
-
メールアドレスとパスワードを入力。
-
テキスト入力が速すぎるとうまく動作しないため、ウィンドウにフォーカスを当ててキー送信で入力。
-
-
「取引」→「エクセルインポート」へ移動。
-
Excelファイルをアップロード。
-
アップロードが完了します。
4. Googleスプレッドシートの計上状態を更新
-
{Control}{Home}
でA1に移動。 -
{Shift}{Control}{Right}{Down}
ですべて選択。 -
{Control}{G}
で検索ウィンドウを開く。 -
{Tab}{Enter}
でテキスト入力まで進む。 -
「未計上」を「計上済」に変更し、
{Tab}
を11回押して確定。 -
{Enter}
で保存。
まとめ
この方法を活用すれば、Googleスプレッドシートで入力した売上データをPower Automate Desktopを利用して自動取得し、freee会計に計上できます。freee会計以外にもMFクラウド会計など、エクセルインポート機能がある会計システムにも応用可能です。 業務の効率化を目指し、ぜひチャレンジしてみてください!
▽以前の記事で書いた自動通知システムを組み合わせればさらに効率化を実現できるかもしれません。
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