業務自動化で脱・手作業!一人事務のDX活用術 | RPA・自動化ツール

業務自動化で脱・手作業!一人事務のDX活用ブログ|RPA・自動化ツールで業務をもっとラクに、もっとスマートに

Power Automate DesktopでExcelデータが空白判定されない原因と解決策

Power Automate DesktopでExcelデータが空白判定されない原因と解決策

Power Automate Desktop(PAD)を使って業務効率化に挑戦していると、意外なトラブルに直面することがあります。特に「Excelから読み取ったデータが空白判定されない!」という現象は、多くのユーザーが頭を抱える悩みのはず。今回は、Excelから取得したデータが見た目は空白なのに、実際には空と認識されずエラーが発生する原因と、その対処法について詳しく解説します。

フロー作成の基本と現象の再現

まず、私が作成したシンプルなフローは、Excelからデータを読み取り、各行を「For each」ループで処理するというものです。具体的には、ExcelDataという変数に全データを格納し、ループ内で各行の値(CurrentItem)に対して空白かどうかの判定を行っています。

Power Automate DesktopでExcelデータが空白判定されない原因と解決策
このフローの場合、理想では、Excelの2行目が空欄の場合、処理をスキップしてB列に「〇」を表示させないはずですが、実際はどの行にも「〇」がついてしまうという現象が発生しました。

▼2行目は空白のはずなのに、「〇」がついてしまっている!

Power Automate DesktopでExcelデータが空白判定されない原因と解決策

空白判定がうまくいかない原因

まず「空である」と「空白である」のIF条件式の中に、「空ではない」と「空白ではない」があるので、そちらを使ってみました。CurrentItemの中に見えない文字(空白)が含まれている場合、本当の空ではないため条件に当てはまらないと判定されてしまうケースがあるからです。

Power Automate DesktopでExcelデータが空白判定されない原因と解決策

しかし、この条件で判定しても期待通りの結果が得られませんでした。

次に、メッセージボックスのアクションを追加してCurrentItemの内容を確認してみました。

Power Automate DesktopでExcelデータが空白判定されない原因と解決策

すると、空白に見えるのに、

「AAAAA
X」

のように改行付きで表示されるケースがあったのです。これにより、以下の2点が考えられます。

  1. 見えない改行コードが含まれている
    見た目では空白でも、実際には改行が混入しており、PADがその状態を「空」と判断できていない可能性があります。

  2. データの型や取得方法の影響
    Excelから読み取ったデータの型が想定している文字列型ではなく、オブジェクトや特殊な形式になっていると、通常の空白判定では検出できない場合があります。

対処法:改行コードの除去と変数のデバッグ

解決策として、まず「テキストの置換」アクションを活用して、CurrentItem内の改行コードを削除する方法が有効です。
具体的には、以下の手順で対処します。

  1. テキストの置換で改行削除

    • 解析対象のテキストに %CurrentItem% を指定し、検索するテキストとして改行コード(Windows環境では通常 \r\n が用いられます)を指定します。
    • 置換後のテキストは空文字("")に設定し、新しい変数(例:Replaced)に保存します。
    • こうすることで、見た目上は空白であっても混入している改行コードが取り除かれ、正しく空白判定できるようになります。Power Automate DesktopでExcelデータが空白判定されない原因と解決策
  2. 条件分岐の見直し

    • 改行削除後の変数を用いて、再度「空ではない」条件で判定するように変更します。
    • これにより、改行が原因で空白と認識されなかった問題が解消され、期待どおりの動作(空欄の行には「〇」を表示させない)が実現できます。

      Power Automate DesktopでExcelデータが空白判定されない原因と解決策

      これで期待した通りの動作をしてくれるようになりました!

      Power Automate DesktopでExcelデータが空白判定されない原因と解決策

  3. デバッグ用メッセージの活用

    • エラーの原因を突き止めるために、「メッセージを表示」アクションを使ってCurrentItemや置換後のReplaced変数の内容を確認しましょう。
    • これにより、実際にどのような文字列が読み込まれているのか、見えない改行や空白が含まれていないかをチェックすることができます。

結果とまとめ

今回の検証では、Excelから読み取ったデータに改行が含まれていることが原因で、PADが正しく空白と判定できなかったことが判明しました。
テキストの置換アクションを活用して改行コードを削除し、改めて空白判定を行うことで、問題を解決できました。
このように、Power Automate Desktop(PAD)で期待する動作が得られない場合、実際のデータが見た目と異なる形式(空白、改行、オブジェクト、数値など)になっている可能性が高いです。
エラーは業務効率化の中で避けがたいトラブルですが、原因をしっかりと特定し、適切な対処法を講じることで、作業の安定性を向上させることができます。
Power Automate Desktop(PAD)を活用して、効率的な業務フローを構築しながら、こうしたトラブルにも柔軟に対応していきましょう!

▼メッセージボックスを活用してデバッグ&便利な活用法

keiridx.net

▼PADで可視セル(表示されている部分)のみコピーする方法

keiridx.net

▼初心者がPower Automate Desktopでよく遭遇するエラー集

keiridx.net

▼ 役に立ったらブックマークお願いします!

Power Automate DesktopでExcelデータが空白判定されない原因と解決策

Power Automate DesktopでExcelデータが空白判定されない原因と解決策
人気ブログランキング

Power Automate DesktopでExcelデータが空白判定されない原因と解決策

はじめてのPower Automate Desktop-無料&ノーコードRPAではじめる業務自動化 [ 株式会社ASAHI Accounting Robot研究所 ]

価格:2508円
(2025/2/14 12:07時点)
感想(5件)

Power Automate DesktopでExcelデータが空白判定されない原因と解決策

Power Automate DesktopでExcelデータが空白判定されない原因と解決策

図解でわかるRPA いちばん最初に読む本 [ 神谷 俊彦 ]

価格:1760円
(2025/2/14 12:08時点)
感想(1件)