Power Automate Desktopを使いこなせば、業務の自動化がグッと進みます。特に「条件分岐」を活用すれば、データ処理や通知の自動化が可能です。
今回は、条件分岐を使って売上データを集計し、目標未達の場合に自動でメール送信する方法を解説します。
条件分岐とは?
「条件分岐」とは、ある条件を満たした場合に特定の処理を実行する仕組みです。
例えば、
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「関西」の売上合計が目標に達していなければ支店長にメールを送る。
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「関東」の売上が目標に達していれば特にアクションしない。
といった動作を設定できます。
基本的な書き方は以下の通りです:
if(もし 条件A が満たされたら) → 処理A
else if(条件B が満たされたら) → 処理B
else(どの条件にも該当しなければ) → 処理C
それでは、実際にPower Automate Desktopを使って設定してみましょう。
売上データの集計とメール送信の設定
① データ準備
売上管理用のExcelファイルを用意します。
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エリア別売上表(地域・個人名・日付・売上額)
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目標額一覧(地域・目標売上額)
このデータを基に、各地域の売上を集計し、目標額と比較して未達なら担当者へメールを送ります。
② Power Automate Desktop のフロー作成
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Excelを開く
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データの取得
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売上データを
%ExcelData%
に保存。 -
目標額データを
%ExcelData2%
に保存。 - ※読み取りデータは、ワークシートに含まれる使用可能なすべての値、詳細で、範囲の最初の行に列名が含まれていますにチェックを入れておいてください。
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変数の設定 それぞれ売上額を入れる箱を作っておきます。
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totalSaleswest = 0
※関西の売上 -
totalSaleseast = 0
※関東の売上 -
totalSalesetc = 0
※その他の売上
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繰り返しの処理(For each)
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For Each
で%ExcelData%
の各行を処理。IF(もし)地域=関西だったら次の処理を実行したいため、IFアクションをFor Eachの中に追加します。1.テキストを置換・トリミング・数値に変換(数値として扱うため不要な空白や改行の削除などの前処理をしています)
2.変数の設定で合算額を計算
※書き方に気を付けてください。%をくくる場所を間違えると文字列として認識してしまいます。 -
地域ごとに売上を合算します。先ほど、IF(もし)地域=関西だったらを使ったので、もしその条件に当てはまらなかったら別の処理をするEles ifのアクションを追加していきます。
- 同様の手順で、テキストを置換、トリミング、数値に変換、変数の設定を行っていきます。今度は関東のデータを作っているので、totalSaleseastに合算額を格納していきます。
- 地域が関東でも関西でもない条件について指定したいので、Elesを加えていきます。同様にアクションを加え、条件を入力していきます。
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-
目標額と売上の比較
For Each
で%ExcelData2%
(目標額のデータ)の各行を処理。- 地域ごとに売上額を比較
- もし地域=関西だったら次の処理をする
- もし目標額>合算売上額だったら、目標未達のお知らせをメール
- 同様の処理を関東でも実施
全体フロー
応用編:より高度な条件分岐
例えば、条件分岐をもう少し細かく設定することで、特定の社員の売上を個別に処理することも可能です。
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「関西」かつ「担当者が鈴木」の場合に限定して合算
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給与計算ソフトと連動し、一定の売上に達した社員へインセンティブ支給
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売上データを特定のフォルダに振り分けて分析
ExcelのSUMIF関数では対応できないような複雑な条件設定も、Power Automate Desktopなら柔軟に対応できます。
まとめ
Power Automate Desktopの条件分岐を活用することで、売上集計や目標未達の通知を自動化できます。手作業で行っていた業務を効率化し、時間を有効活用しましょう!
今後は、さらに応用したフローや、他の自動化ツールとの連携方法も紹介していきます。ぜひ試してみてください!
▼条件分岐のフローは止まりやすいのでエラー対策の記事も参考にしてみてください。
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