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覚えておくと便利なメッセージボックステクニック【PAD活用法】

覚えておくと便利なメッセージボックステクニック【PAD活用法】

Power Automate Desktopを使っていると、「ここは目視で確認したいので一時処理を中断したい」「ここは手入力で処理したい」と思う箇所が出てくることもあると思います。

今回は、Power Automate Desktopをご利用の皆様に、フロー作成時に大変役立つ「メッセージボックス」の活用方法についてご紹介いたします。

メッセージボックスは、ユーザーとの対話やエラーデバッグ、進捗確認、さらには一時停止処理など、さまざまなシーンで利用できる便利なツールです。

この記事では、実際に私が業務で活用している事例を交えながら、具体的な使い方を詳しく解説してまいります。

1. 入力値の取得で柔軟なフローを実現

「入力メッセージボックスを表示」アクションを活用する方法

ユーザーから必要な情報を取得し、その値をフロー内の変数に格納することで、柔軟な自動化処理が可能になります。

たとえば、処理対象のファイル名や条件を手動で入力したいような場合は、入力ダイアログを利用して入力するのが有効です。

▼入力ダイアログを表示アクションを追加

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私自身、条件設定が複雑になる場合にこの機能を多用しています。

たとえば、入金明細の処理において「前月半月分の明細」を対象とする場合、関数を使って計算するよりも、直接期間を入力するほうがシンプルで手間もかかりません。具体的には、本日が2月25日で入金日が2月28日、対象期間が2月1日から2月15日といった場合、関数を使って計算させることもできますが、考える時間も手間も面倒なので直接入力でシンプルに対応します。

▼実行するとこのような形のポップアップが出現します

覚えておくと便利なメッセージボックステクニック【PAD活用法】

この値が、そのままUserInput変数に格納されているので、のちの仕訳の備考欄等に利用できます。

2. エラーデバッグでフローの品質向上

次に、フローの動作確認やデバッグにおけるメッセージボックスの活用方法です。Power Automate Desktopでは「メッセージを表示」アクションを利用し、変数の値や処理の流れをリアルタイムで確認できます。

たとえば、変数NewVarに1、NewVar2に2の値が格納されている場合、NewVar+NewVar2=3になるはずです。

覚えておくと便利なメッセージボックステクニック【PAD活用法】

メッセージボックスを使って変数が正しいか見てみます。期待通りなら、NewVar3の値は3になるはずです。

覚えておくと便利なメッセージボックステクニック【PAD活用法】

実行してみると、結果が「1+2」となっており3になっておらず期待した計算結果になっていないことがわかります。これではその後の処理がうまくできません。

覚えておくと便利なメッセージボックステクニック【PAD活用法】
3があやしいので、計算式が正しいかどうか見に行きましょう。

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誤 %NewVa%r + %NewVar2%

正 %NewVar + NewVar2%

計算式を再セットしてみます。

覚えておくと便利なメッセージボックステクニック【PAD活用法】

期待した値が得られたのでデバッグ完了です。

このように、メッセージボックスを使って現在の変数値を確認することで、値が文字列扱いになっているなどの問題を早期に発見できます。エラーの原因を特定し、迅速に修正を行うためにもメッセージボックスは非常に有用です。

3. 長時間処理の途中経過をユーザーに伝える

自動化フローが長時間実行される場合、ユーザーが「処理が停止しているのでは?」と不安になることがあります。そこで、処理の進捗状況を伝えるために「メッセージを表示」アクションを活用し、「現在、〇〇の処理を実行中です」といったメッセージを表示する方法があります。

覚えておくと便利なメッセージボックステクニック【PAD活用法】

これにより、ユーザーはフローが正常に動作していることを確認でき、安心して待つことが可能になります。進捗表示は、特に大規模なデータ処理や複雑な自動化処理において非常に重要なポイントとなります。

4. 確認ダイアログで安全な処理実行

フロー実行前にユーザーの確認を求める場合や、重要な処理を実行する際には、確認ダイアログを活用することが推奨されます。例えば、データ削除処理の前に「本当に削除しますか?」といったメッセージボックスを表示し、ユーザーの選択に応じて処理を分岐させることができます。

覚えておくと便利なメッセージボックステクニック【PAD活用法】

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ここでユーザーが回答した情報が変数ButtonPressedに格納されます。

「はい」を選択した場合は処理A、いいえを選択した場合は処理B、とIFアクションを活用して処理を分岐させます。

IFアクションについてはこちらの記事も参考になります。

keiridx.net

これにより、誤操作によるデータ損失などのリスクを低減でき、より安全なフロー作成が可能となります。

【参考】誤操作とは関係ありませんが、キャンセルだったらフローを停止させるというアクションが便利なので紹介しておきます。

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5. 一時停止による確認動作の促進

処理の合間に手動で内容を確認したい場合にも、メッセージボックスは有効です。

たとえば、Excelファイルの更新処理の前に「次の処理を始める前に、手動でExcelを確認してください」といったメッセージを表示することで、ユーザーに一時停止を促し、確実な確認作業を実施できます。

このような一時停止機能は、特に重要なデータの取り扱い時に効果的であり、全体の信頼性を高めるためにも役立ちます。

まとめ

以上、Power Automate Desktopにおけるメッセージボックスの活用法についてご紹介いたしました。入力値の取得、エラーデバッグ、処理の進捗確認、そしてユーザー確認や一時停止など、メッセージボックスは自動化フローの各シーンで大変有用です。これらの活用法をマスターすることで、フローの信頼性と効率性を向上させることができるでしょう。ぜひ、この記事を参考にして、あなたの業務自動化プロジェクトにお役立ていただければ幸いです。今後もさらなる改善点や新しい活用法を探求し、より使いやすいフロー作成を目指していきましょう。

▼メッセージボックスを使った空白判定エラーデバック

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▼初心者によくあるエラー

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