Excelでの表計算作業、毎回手作業で複数のシートをコピー&ペーストしていませんか? また、毎日メールで送られてくるファイルをダウンロードして手動で統合する作業を繰り返していませんか?
こうした手間のかかる作業は、パワークエリ(Power Query)とPower Automate Desktop(PAD)を活用することで、簡単に自動化できます。
今回は、複数ファイルの結合から集計、さらにPower Automate Desktopを活用したクエリの自動更新方法をご紹介します。
1. 複数ファイルの結合はパワークエリで
まず、複数のExcelファイルを統合するにはパワークエリを活用します。パワークエリを活用する利点として、RPAよりも圧倒的に処理スピードが速いことが挙げられます。単純なファイル結合だけならパワークエリが使いやすいでしょう。
以前の記事でも紹介していますので、参考にしてください。
今回は、このように複数の人間から個別にファイルが送られてくる設定です。
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Excelを開き、データの取得 → ファイルから → フォルダーからを選択。
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フォルダー内のデータを読み込み、パワークエリエディターを起動。
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必要なデータを整形し、「閉じて読み込む」でシートに出力。
★ 日付フォーマットの修正
パワークエリでは、データのフォーマットを一括変更できます。たとえば、日付のフォーマットを統一するには以下の手順を行います。
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変換したい列を選択。
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変換 → データ型 → 日付 を選択。
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自動でフォーマットが適用され、統一された表示になります。
2. 集計はピボットテーブルで簡単に
データを統合したら、次に集計作業を行います。
集計作業は関数を使っても良いですが、今回はピポッドテーブルに行わせてみます。
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挿入 → ピボットテーブルを選択。
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データ範囲を指定し、任意の項目を設定。
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必要に応じてフィルターや計算を追加。
(空白)は行を非表示にしておきます。
★ メリット
パワークエリとピボットテーブルを組み合わせることで、以下のメリットがあります。
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データが変更された場合でも、更新ボタンを押すだけで 一括更新可能。
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新規ファイルが追加されても、自動でデータに反映される。
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例)「佐藤花子」さんの売上データを追加すると、ピボットテーブルを更新するだけで集計に反映。
▼このように佐藤花子さんのデータが増えた場合
右クリック→「更新」で内容が自動更新されます
花子さんのデータが取得できました
ピポッドテーブルも同様に、右クリック→更新で更新可能です
3. Power Automate Desktopでクエリを自動更新
ここまででも十分時短になりますが、Power Automate Desktopを活用するとさらに自動化が進みます。
例えば、以下のような処理が可能です。
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毎日Eメールで送られてくる売上日報をPADで自動取得し、Excelでクエリを更新。
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更新されたデータをPDF化してメール送信or特定のフォルダへ保存等
★ クエリの自動更新手順
Power Automate Desktopのフローを作成し、以下のようにアクションを追加していきます。
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Excelファイルを開き、該当シートをアクティブ化。
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Ctrl + Alt + F5
をキー送信し、クエリを更新。 -
クエリの読み込みに少し時間がかかるため、更新が完了するまで少し待機。
★ ピボットテーブルの更新
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ピボットテーブルのシートをアクティブ化。
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Alt + F5
をキー送信し、ピボットテーブルを更新。
★ PDF化の自動化
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Excelウィンドウにフォーカス。
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F12
をキー送信し、「名前を付けて保存」ウィンドウを開く。 -
拡張子をPDFに変更(キー送信
{Down:22}
で選択)。
この場合22回ですが、ご自身の環境に合わせて↓の回数を選択ください。 -
Enter
を2回送信し、保存。
まとめ
パワークエリとPower Automate Desktopを組み合わせることで、表計算の処理を一気に効率化できます。
✅ 手作業でのデータ統合を削減 ✅ ピボットテーブルの更新が簡単に ✅ PADで自動化が可能
日々の業務の時短にぜひ活用してみてください!
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