DX(デジタルトランスフォーメーション)を進めるにあたり、なるべくコストをかけずに導入したいと考える経営者の方は多いでしょう。
当ブログでは、中小企業の経営者や一人経理の方向けに、無料または低コストで活用できる便利なツールを紹介しています。
しかし、中には有料のほうが安心して使えるツールもあります。今回は、無料でも十分なツールと、有料の方が安心なツールをまとめました。
▼無料で十分なツール
1. 文書作成・表計算・プレゼン資料 → Googleドキュメント、スプレッドシート
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Microsoft Officeとの互換性があり、共同編集も可能
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クラウド保存でPCトラブル時にもデータを失わない
※以前の記事でも紹介したように、Microsoft製品との親和性やセキュリティ面を考慮し、シェアポイントなどの有料サービスを選ぶケースもありますが、個人または小規模利用向けにはGoogleの無料ツールで十分な場合がほとんどです。有料でもPower Automate Desktop(PAD)が選ばれる理由とは?/Microsoft vs Google - 脱・手作業!1人経理のためのDX活用術 | RPA・クラウド会計
2. チャットツール → Slack(無料版)、Chatwork
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社内コミュニケーションには無料版でも十分
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メッセージの保存制限や連携アプリの制限はあるが、小規模企業には問題なし
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使い勝手が悪くなったら有料版に移行可能
3. ビデオ会議・リモートツール → Zoom・Google Meet/Chromeリモートデスクトップ
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小規模企業や個人利用なら無料版で十分対応可能
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有料版は長時間会議や大規模ミーティングに最適
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リモートデスクトップはChromeリモートデスクトップが無料で使える
4. スケジュール調整 → Googleカレンダー、調整さん、TimeRex
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社内外のスケジュール調整が簡単
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TimeRexならGoogleカレンダーやOutlookと連携し、ZoomやGoogle Meetの会議URLを自動生成
5. RPA(業務自動化) → Power Automate(Microsoft)、UiPath
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定型業務を自動化し、作業時間を短縮
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無料版でも簡単な自動化には十分対応可能
6. 請求書・領収書発行 → Misoca(無料プラン)、Excel
▼無料だと厳しいツール(有料版を推奨)
1. 会計ソフト → freee、マネーフォワードクラウド会計、弥生
2. 電子契約 → クラウドサイン、GMOサイン(有料版)
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無料の電子署名ツールは証拠能力が弱く、契約トラブル時に不利
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企業間の重要な契約では有料版が必須
3. 経費精算 → freee、マネーフォワードクラウド経費など
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個人の経費管理ならスプレッドシートでも可能
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領収書管理や仕訳処理の手間を考えると有料版のほうが安心
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電子帳簿保存法対応や仕訳連携ができるため、ミスを減らせる
※個人の経費精算では、誤りがほとんど発生せず、仮に間違えても自分で見直して修正できるため、大きな問題にはなりにくいですが、従業員が複数いる場合は、システムに不慣れなために誤入力が発生したり、操作方法が分からず修正作業が頻発したりすることがあります。
誤りが起こる可能性自体は、無料ツールでも有料ツールでも変わりませんが、有料ツールの方が修正やリカバリーがしやすいというメリットがあります。
また、単なるOCR機能だけでなく、電子帳簿保存法に対応していたり、仕訳とスムーズに連携できたりするため、総合的に考えると有料ツールの方が安心して運用できるでしょう。
4. 勤怠管理 → King of Time、ジョブカン、マネーフォワードクラウド勤怠
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無料の出勤管理ツールもあるが、打刻漏れや労働時間管理が難しい
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有料版なら自動計算や給与ソフトとの連携が可能
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労務リスクを減らすためにも、有料ツールの導入を推奨
※経費と同様の理由になりますが、誤りが頻発しやすいのとリカバリーがしにくくいため、有料版を推奨しています。
まとめ
DX化を進める際、無料でも十分なツールと、有料のほうが安心なツールを見極めることが重要です。文書作成、チャット、ビデオ会議、スケジュール調整などは無料ツールでも十分活用できます。一方、会計ソフト、電子契約、経費精算、勤怠管理は有料版を利用したほうが、トラブル回避や業務効率化の面でメリットがあります。
無料ツールをうまく活用しつつ、必要に応じて有料ツールを導入することで、DXを低コストで実現しましょう!
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