業務を自動化するために欠かせないのが「変数の設定」です。
RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)を活用している企業では、業務に合った形で変数を設定することで、よりスムーズな自動化が可能になります。
今回は、Power Automate(クラウドフロー)での変数の考え方と、Power Automate for Desktop(PAD)との違いについて、説明していきます。
変数とは?
PADの記事でもご紹介しましたが、変数とは「値を保存しておく箱」のようなものです。たとえば、現在の日付や特定のデータを一時的に保存しておき、それを他の処理で活用することができます。
PADとPower Automateでは、変数の考え方や設定方法が少し異なります。
その違いを理解することで、よりスムーズにフローを作成できるようになります。
Power Automateの変数の設定方法
① 変数を初期化する
Power Automateでは、変数を使用する前に「初期化(宣言)」する必要があります。
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「変数の初期化」アクションを追加
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「名前(Name)」に変数名を入力(例:「支給日」)
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「種類(Type)」を選択(文字列、整数、配列など)
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「値(Value)」を設定(初期値を指定することも可能)
たとえば、文字列の変数「支給日」を作成する場合、Typeに「String(文字列)」を選択します。
PADでは「%変数名%」のように自由に変数を作成できますが、Power Automateではまずこの「変数の初期化」を行うのが大きな違いです。
② 変数の設定をする(値を代入する)
今回は、現在の日付を取得し、「2025年3月」という形式で保存する例を考えてみましょう。
PADの場合
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「現在の日付を取得」アクションを追加
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取得した日付を「%CurrentDateTime%」という変数に格納
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「Datetimeをテキストに変換」アクションを追加
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「%CurrentDateTime%」を「yyyy年MM」の形式に変換し、「%FormattedDateTime%」という変数に保存
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必要な箇所で「%FormattedDateTime%」を使用
PADでは、専用のアクションを使って変換できるため、視覚的に分かりやすいのが特徴です。
Power Automateの場合
Power Automateでは「変数の設定」アクションを使用し、式を直接入力して変換を行います。
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「変数の設定」アクションを追加
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「名前(Name)」を「支給日」に設定
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「値(Value)」に以下の式を入力
@{formatDateTime(utcNow(), 'yyyy年MM')}
このようにPower Automateでは、PADで「Datetimeをテキストに変換」していた処理と同じ動作を式を入力することで実現させます。
Power Automateでは@{formatDateTime(utcNow(), 'yyyy年MM')}
を入力した段階で表示が値に変換されてしまいますが、入力値は上の通りだということを覚えておきましょう。
③ 変数を使用する
設定した変数を、メールの本文などで利用する方法を見てみましょう。
PADの場合
変数を使用する際は、「%変数名%」の形式で記述します。
例:
明日は %FormattedDateTime% です。
Power Automateの場合
Power Automateでは、変数の値を取得する際に、以下のような形式を使います。
明日は@{variables('支給日')}
です。
このように、Power Automateはよりプログラムに近い記述方法になります。
PADとPower Automateの変数の違い
項目 | PAD | Power Automate |
---|---|---|
変数の初期化 | 自動で作成される | 明示的に「変数の初期化」アクションが必要 |
変数の設定方法 | アクションごとに設定 | 「変数の設定」アクションでまとめて設定 |
変数の使用方法 | %変数名% | @{variables('変数名')} |
まとめ
Power Automateの変数は、PADよりもプログラム的な要素が強いため、最初は戸惑うかもしれません。しかし、慣れてしまえば柔軟に変数を活用できるので、ぜひ少しずつ試してみてください。
この記事が、Power Automateの変数設定について理解を深める助けになれば嬉しいです!
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