Power Automate Desktop(PAD)を導入したものの、何ができるのかいまいちピンとこない、まずは簡単なフローを作ってみたいという方向けに、初心者でもすぐに試せる超簡単なフローを3つご紹介します。
この記事を参考にしながら実際に触ってみることで、少しずつRPAの仕組みを理解していきましょう。
① エクセルデータのコピー&ペースト
用途:Excelデータを簡単にコピー&ペースト
手順
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「Excelの起動」アクションを追加し、「次のドキュメントを開く」を選択。開きたいExcelファイルを指定。
▼左側のアクション一覧からドラッグ&ドロップでアクション追加
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「Excelワークシートから読み取る」アクションを追加。
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「ワークシートに書き込む」アクションを追加。
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実行。
➡ 列Aのデータがすべて列Cにコピーされました!
作成のヒント
Power Automate Desktopでは、データを変数に格納し、それを別のアクションで活用できます。変数は %
で囲われており、生成された変数を適切に活用することでスムーズなデータ処理が可能になります。
▼変数について詳細はこちら
応用編:WebからダウンロードしたCSVファイルをExcelに貼り付ける
② フォルダー内のファイルをすべてコピー
用途:指定フォルダー内のファイルを一括コピー
手順
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「フォルダー内のファイルを取得」アクションを追加し、コピー元フォルダーを指定。
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変数:
%Files%
が生成される。
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「For Each」アクションを追加。
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反復処理を行う値:
%Files%
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変数:
%CurrentItem%
が生成される。
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「ファイルのコピー」アクションを追加。
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コピーするファイル:
%CurrentItem%
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宛先フォルダー:コピー先のフォルダを指定。
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実行。
➡ フォルダー内のファイルがすべてコピーされました!
作成のヒント
For Each(ループ処理)は「指定したリストが終わるまで1つずつ繰り返す」アクションです。 %Files%
の中身が尽きるまで、%CurrentItem%
に各ファイルの情報を入れて繰り返し処理を行います。ループを活用することにより、ロボット(PC)によって繰り返し処理が実行されるので、手作業が不要になり業務効率化が実現できます。
▼ループについての詳細はこちら
応用編:ファイルをリネームしながらバックアップを取る
③ Webサイトから情報を取得する
手順
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「新しいChromeを起動する」アクションを追加し、初期URLに「 https://www.yahoo.co.jp」を設定
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「Webページのリンクをクリック」アクションを追加。
2.ファイナンスにカーソルを合わせると赤枠が表示されるため、Ctrl+左クリック
1.▽ボタンをクリックし、UI要素の追加を選択。
3.UI要素が取得されるので、保存する -
「Webページの要素の詳細を取得」アクションを追加。
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先ほどと同様の手順でUI要素の▽をクリックし、取得したい情報のUI要素を追加。
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変数:
%AttributeValue%
に取得した値が格納される。
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「Wordを起動」アクションを追加。
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「Word文書に書き込む」アクションを追加。
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書き込むテキスト:
%AttributeValue%
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実行。
➡ 取得したデータがWord文書に書き込まれました!
作成のヒント
Webサイトから情報を取得する手法は「スクレイピング」と呼ばれます。
スクレイピングは禁止されているサイトもあるため、利用規約を確認してから実施してください。スクレイピングを活用することにより日々変化する情報をwebサイトから取得し、業務に活用することが可能になります。
応用編:Webサイトから為替レートを取得しExcelに記録する
まとめ
このような基本的なアクションを組み合わせることで、Power Automate Desktopを活用した業務効率化が可能になります。
慣れてくると、条件分岐を取り入れたり、ループを複数活用してデータ処理を行ったりと、より高度なフローも作成できるようになります。
まずはこの記事で紹介したフローを試してみて、Power Automate Desktopの操作に慣れていきましょう!
▼書籍をみながらの練習もおすすめです。