メールの下書き保存は、送信前の確認や定型文の管理に欠かせません。誤送信を防ぎたい場合や、上司の確認を経てから送信したい場合などに便利です。
今回は、Power Automate クラウド(PAクラウド)、Power Automate Desktop(PAD)、Google Apps Script(GAS)を使って、下書き保存を自動化する方法を解説&どの方法が最適かの比較をしていきます。
Power Automateクラウドでの下書き保存(Outlook)
Power Automate クラウドを使うと、HTTPリクエストを使ってOutlookの下書きを作成できます。
【手順】
-
トリガーを設定(例:「新しいメールが届いたとき」など)
-
条件を追加(差出人や件名など)
※/と入力することで動的コンテンツを選ぶことができます。
-
「HTTP要求を送信」アクションを追加
-
URIに「
https://graph.microsoft.com/v1.0/me/messages
」を入力 -
メソッド:
POST
-
本文:
{
"subject": "メールの件名",
"body": {
"contentType": "Text",
"content": "メールの本文"
}
}
▼全体フロー
【メリット】
✅ クラウドでリアルタイム連携可能(TeamsやSharePointと連携しやすい)
✅ 完全自動化が可能(トリガーによる実行ができる)
【デメリット】
❌ API設定が必要(Graph APIの設定が少々面倒)
❌ 無料プランでは利用不可かも?
※筆者は無料プランで実行できましたが(プレミアムコネクタは不要)環境によってはMicrosoft Graph APIの アクセス権限 の影響を受けるかもしれません。
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PAD(Power Automate Desktop)での下書き保存(Outlook)
Power Automate Desktop(PAD)を使えば、ローカルOutlookの下書きを簡単に作成できます。
【手順】
-
「Outlookを起動する」アクションを追加
-
「メールメッセージの送信」アクションを追加
-
必要項目を入力し、「下書きとして保存」にチェックを入れる
-
フローを実行すれば、Outlookに下書きが保存される
【メリット】
✅ 無料で使える(ローカル版OutlookがあればOK)
✅ 下書き保存にチェックを入れるだけなので超簡単(コード不要)
【デメリット】
❌ 手動実行が基本(トリガー自動化が難しい)
❌ クラウド環境では動作しない
GASでの下書き保存(Gmail)
GASを使えば、Gmailで簡単に下書きメールを作成できます。
以下のコードをGoogle Apps Scriptに記述し、実行するだけで下書き保存が可能です。
▼GASの初回導入手順
【GASコード】
function createDraftEmail() {
var recipient = "example@example.com"; // 宛先
var subject = "これは下書きメールです"; // 件名
var body = "このメールはGASで下書きとして保存されました。"; // 本文
var options = {
attachments: [], // 添付ファイルを追加可能
bcc: "bcc@example.com", // BCC
cc: "cc@example.com", // CC
from: "your-email@gmail.com" // 送信元(Gmailのエイリアス設定が必要)
};
var draft = GmailApp.createDraft(recipient, subject, body, options);
Logger.log("下書きを作成しました: " + draft.getMessage().getId());
}
【メリット】
✅ 無料で使える(GoogleアカウントがあればOK)
✅ 自動化しやすい(スクリプトを定期実行可能)
【デメリット】
❌ Gmail専用(Outlookでは使えない)
❌ OAuthの設定が必要(認証設定をしないと実行できない)
どれを選ぶべき?(比較とおすすめ)
手法 | 対応メール | 自動化 | コスト | 難易度 |
---|---|---|---|---|
GAS | Gmail | 定期実行可 | 無料 | 易 |
PAD | Outlook(ローカル) | 手動 | 無料 | 易 |
PAクラウド | Outlook(クラウド) | 完全自動化可 | 環境による | 中~難 |
おすすめの選び方
まとめ&関連記事リンク
メールの下書き保存を自動化することで、業務の効率化や誤送信の防止につながります。用途や環境に応じて、最適なツールを選びましょう。
「もっと詳しく知りたい!」という方は、関連記事もぜひチェックしてください。
📌 関連リンク
▼Power Automate VS GAS メールの添付ファイルの自動保存比較記事
▼Power Automate・GAS・PADの違い徹底比較
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