「システム的で冷たい返信ではなく、人間味のある、あたたかい対応ができたら…」
そう思ったことはありませんか?
ChatGPTといえば、人間のような自然な表現が得意な生成AIです。これを上手く活用すれば、まるでスタッフが直接返信しているかのような、親しみあるコミュニケーションが実現できます。
今回は、無料で使えるGoogleフォームとGoogle Apps Script(GAS)、そしてChatGPT APIを組み合わせて、自動で温かみのある返信を送る仕組みを構築する方法をご紹介します。
なぜGoogleフォーム?LINE公式アカウントではダメなの?
AIの自動返信といえば、LINE公式アカウントを思い浮かべる方も多いかもしれません。しかし、現在はGASとLINEの連携仕様が変更され、自由にBotを使って返信を飛ばすことが難しくなっています。
そこで代替手段として考えたのが、Googleフォーム+ChatGPT APIの組み合わせです。
この方法なら、無料でフォームを作成でき、返信にはChatGPTのAPI料金(800円〜)のみでOK。さらに、キャラクター設定を加えれば、自然でユーモラスなAI対応が可能になります。
▼ChatGPTのAPIkeyの取得はこちら
うさぴょんAIってなに?
今回は、ある企業のマスコットキャラクター「うさぴょん」が問い合わせに返信する、という想定で設定を組んでみました。ポイントは、「AIだと一目で分かるキャラ設定」を与えることです。これにより人間らしい自然な回答を得たとしても、ユーザーが混乱するのを防ぎます。
たとえば…
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語尾は「ぴょん」
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好きな食べ物はにんじん
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営業時間は平日10:00〜18:00(土日休み)
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分からないことは「ママ(人間のスタッフ)に聞いてみるぴょん」と返す
こうした設定をプロンプトに含めることで、ChatGPTはキャラクターになりきって自然な対応をしてくれます。
全体の流れと前提条件
前提条件
Googleフォームの説明文に以下のように記載しておきます。
「こちらは株式会社〇〇のマスコットキャラクター“うさぴょんAI”が自動返信します。
不明点はママ(人間スタッフ)に聞いてみるから、お返事を待っていてほしいぴょん。」
自動返信の流れ
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ユーザーがGoogleフォームから問い合わせを送信
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GASでChatGPT APIを呼び出し、自動返信文を作成
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AIの返信内容を相手のメールアドレスに送信
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返信に「ママに聞いてみる」などのキーワードが含まれていれば、人間スタッフにも通知
ステップ① Googleフォームの作成
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Googleドライブから「+新規」→「Googleフォーム」を作成
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氏名、質問内容、メールアドレスなどの項目を追加
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回答タブからスプレッドシートと連携
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設定タブで「メールアドレスを収集」「回答コピー送信(リクエスト時)」をON -
フォームURLをLINE公式やWebサイトに設置
ステップ② GASで自動返信スクリプトを書く
Googleスプレッドシートの「拡張機能」→「Apps Script」から以下のコードを記述します。
------------------------
// このコードはGoogle Apps Script(GAS)で動作します
// ChatGPT APIと連携して、フォーム回答を元に返信メールを送るコード
// キャラクター:うさぴょん
const OPENAI_API_KEY = 'YOUR_API_KEY_HERE'; // ← ChatGPTのAPIキーをここに入れてね
const STAFF_EMAIL = 'your.email@example.com'; // ← ママ(人間スタッフ)の通知先メールアドレス
function onFormSubmit(e) {
const sheet = SpreadsheetApp.getActiveSpreadsheet().getActiveSheet();
const lastRow = sheet.getLastRow();
const name = sheet.getRange(lastRow, 2).getValue(); // B列
const question = sheet.getRange(lastRow, 3).getValue(); // C列
const email = sheet.getRange(lastRow, 4).getValue(); // D列
const prompt = `あなたは「うさぴょん」というキャラクターです。
・語尾は「ぴょん」にしてください。
・好きな食べ物はにんじんです。
・営業時間は平日10:00〜18:00で、土日はお休みです。
・毎月第2金曜はにんじん感謝祭イベントがあります。
・お客様の質問には丁寧に、やさしくお答えしてください。
・知らないことは「ママ(人間のスタッフ)に聞いてみるぴょん」と返してOKです。
${name}さんからのご質問:${question}`;
const reply = getChatGptReply(prompt);
// メール返信
GmailApp.sendEmail(email, `うさぴょんからのお返事ぴょん`, reply);
// ママワードで反応するように強化ぴょん!
const mamaKeywords = ["ママ", "聞いてみる", "相談", "確認してみる", "あとで聞く", "教えてもらう"];
const isNotify = mamaKeywords.some(word => reply.includes(word)) && reply.includes("ぴょん");
if (isNotify) {
GmailApp.sendEmail(
STAFF_EMAIL,
`うさぴょんからママへのお知らせ`,
`${name}さんからのご質問で、うさぴょんがわからないことがあったぴょん。\n\n質問内容:${question}\n\n返信内容:${reply}`
);
}
}
function getChatGptReply(prompt) {
const url = 'https://api.openai.com/v1/chat/completions';
const payload = {
model: 'gpt-4o',
messages: [
{ role: 'system', content: 'あなたは親切で可愛いうさぎキャラ「うさぴょん」です。' },
{ role: 'user', content: prompt }
],
max_tokens: 300,
temperature: 0.7
};
const options = {
method: 'post',
headers: {
Authorization: 'Bearer ' + OPENAI_API_KEY,
'Content-Type': 'application/json'
},
payload: JSON.stringify(payload),
muteHttpExceptions: true
};
const response = UrlFetchApp.fetch(url, options);
const json = JSON.parse(response.getContentText());
if (json.choices && json.choices.length > 0) {
return json.choices[0].message.content.trim();
} else {
return 'うさぴょん、ちょっとお返事できなかったぴょん…ごめんぴょん。';
}
}
------------------------
このコードによって、フォーム送信時に自動的にChatGPTが返信し、必要に応じて人間スタッフにも通知が届きます。
▼GASの初回導入手順はこちら▼
ステップ③ トリガー設定
GASエディタ左の「時計マーク」→「+トリガーを追加」から、onFormSubmit
をフォーム送信時に実行されるよう設定しましょう。
テスト例とAIの実力をチェック!
いくつかの質問を投げてみたところ、以下のような温かい返信が返ってきました。
Q1. 土曜日の10時に行きたいのですがあいてますか?
こんにちは、テスト太郎さんぴょん!
残念ながら、土日はお休みなのでお店はあいていないぴょん。
平日の10:00〜18:00に来てくれると嬉しいぴょん!お待ちしてるぴょん♪
Q2. 御社の鈴木さんと月曜10時にお会いできますか?
鈴木さんとお会いする件、営業時間的には問題ないぴょん。でもスケジュール確認が必要なので、ママに聞いてみるぴょん!
→ 人間スタッフにも自動通知が飛びます。
実際に使って感じたこと
驚いたのは、こちらが設定していないことに対しても、ChatGPTがそれらしく自然な回答を生成してくれる点です。たとえば「うさぴょんの本名は?」という質問にも、ちゃんとキャラを維持したまま回答してくれました。
また、クレーム対応のような繊細なシーンでも、「申し訳ないぴょん」「ママに聞いてみるぴょん」と、AIなのにきちんと謝罪しつつ、人間スタッフへの橋渡しも自然にできているのです。
botでは実現できないような自然な対応をするため、システムには回答できない場合でもAIが文脈をよんで「こんなことに困っているのでは?」と察知して回答を導いてくれます。控えめに言ってすごいです。
近い将来、大手のカスタマーはほとんどAIに置き換わるのではないでしょうか。
まとめ:ChatGPT×GASで接客の自動化はここまでできる!
今回のように、ChatGPTとGASを組み合わせることで、たった800円ほどのAPI費用から始められる、温かみのある自動接客システムが実現できます。
そんな方には、ぴったりの仕組みです。
▼GASとChatGPTの連携を考えている方はこちらの書籍も参考になります
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ぜひご自身のキャラクターやビジネスにあわせて、プロンプトや返信文をカスタマイズしてみてください。AIの力で、もっと楽しく、もっと人間らしい顧客対応が可能になりますよ!
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