毎日のメール返信、面倒に感じていませんか?
特に、業務上のやり取りが多いビジネスパーソンにとって、メールの確認・要約・返信は時間も手間もかかる作業です。
「このメールはすぐ返信が必要?」「要約を読んで判断したい」「返信文を考えるのが手間」――そんな悩みを解決するために、今回はPower Automate Desktop(PAD)とChatGPTを活用した“メール自動返信AI”をご紹介します。
この自動返信AIができること
【基本構成】
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未読メールを取得
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メール本文をWordで表示
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自動返信の可否をユーザーが選択
- 自動返信する場合は返信内容を指示
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ChatGPTで要約・返信文作成
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添付ファイルの有無を確認して送信
これにより、面倒なメール処理が一気に効率化されます。
処理イメージと作成手順
このシステムの処理イメージ。
今回は以下のようなメールが届いたと仮定します。
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Outlookから未読メールを取得
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メール本文をWordに表示し、ユーザーが返信要否を判断
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「はい(返信する)」の場合は、ChatGPTがメールを要約し表示
- 返信内容を指示すると、ChatGPTが返信メールを作成
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Word上で内容確認・編集後、そのまま送信。
※サンプルではChatGPT3.5Verが宛名を削除してしまっているので、修正して送信します。宛名は消さずに残すようにプロンプトを書いていますが、その時により精度が曖昧です…
▼修正がある場合は必要事項をWordに直接書き加える
必要であれば添付ファイルも追加可能。 -
「あとで返信」や「迷惑メール」はそれぞれフォルダへ自動移動
- 返信文にはoutlookにより自動署名と返信内容がついてメールが届く
【処理の流れとつくりかた】
▼ChatGPTでAPI Keyを取得しておいてください。
▶ メール取得と表示
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Outlookを起動し、未読メールを取得
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For Eachで1件ずつ処理
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メール本文(Body)をWordに出力
書き込んだWord文書は最大化して見やすくしておきます。
▶ 返信の可否を選択
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表示されるダイアログで「はい」「いいえ」「あとで」「迷惑メール」から選択
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IFで分岐
▼あとでだったら
1.未読としてマーク
2.メッセージをあとでフォルダに移動
3.Word文章の内容を削除▼いいえだったら
1.Word文章の内容を削除
2.ループを抜ける▼迷惑メールだったら
1.Word文章の内容を削除
2.メッセージを削除
▶「はい」なら、 ChatGPTでメールを要約
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改行コードやタブを削除
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gpt-3.5-turbo
を使ってメール本文を2〜3行で要約 -
要約結果をメッセージボックスに表示
▶ 返信文の指示
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ユーザーが「どう返すか」を指示(例:お断り+時間提案など)
※指示は完結で良いですが、「OK」のみではなく「OKと返事して」「明日の5時でいいか聞いて」など、「指示」として認識しやすい方が出力の精度が高いです -
gpt-4o
が要約文と指示から返信文を生成ここのプロンプトはしっかりめに作ります
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Word上に返信文を出力。必要に応じて編集
▶ 送信操作
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修正点や添付ファイルの有無を確認
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添付するならファイルを選択し送信
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「あとで処理」なら専用フォルダへ移動
- 「いいえ」なら添付ファイルをつけずそのままメール送信
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送信後はWord文書を削除して完了
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▼全体フロー
感想:毎朝のメール処理が劇的にラクに!
このAI返信システムは、特に「毎日大量のメールをチェックする人」にとって非常に便利です。要約で内容がすぐ把握でき、返信内容もある程度AIが考えてくれるので、ゼロから文章を書く必要がありません。
また、メールの優先度に応じて「あとで対応」に分類できる点も大きなメリット。作業の中断が減り、集中して対応すべき案件に取り組めるようになります。
もちろん、AIの出力が完璧というわけではなく、「要約が短すぎて必要情報が欠ける」「トンチンカンな返信をを生成する」こともあります。ただ、たたき台として使う分には非常に優秀です。
まとめ
AIとRPAの組み合わせで、日々のメール処理もここまで効率化できます。Power Automate DesktopとChatGPTを組み合わせるだけで、ちょっとした“秘書”のような存在が完成します。
大量のメールを毎日さばいている方、ぜひ試してみてくださいね。
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