Power Automateを活用して「土日には作業しない」ように設定するのは比較的かんたんですが、実務では「毎月5日の振込処理や支払処理」が土日と重なったときに、自動で3日または4日に前倒し実行したいといったニーズも多いのではないでしょうか。
特に振込や支払い処理のような日付が固定された業務では、5日が休日の場合、事前に処理しておく必要があります。
今回は、そんな現場で役立つ「Power Automateクラウド版で、土日の場合に処理を前倒しする方法」をご紹介します。
🔰前提:このフローでやりたいこと
-
毎日フローを実行
-
5日が土日だったら → 3日 or 4日の平日に実行
-
5日が平日だったら → 5日に実行
-
それ以外の日は何もしない
📝実装ステップ詳細
1. スケジュール済みクラウドフローを作成
2. 5日が何曜日かを取得
-
アクション「変数の初期化」を追加
- Name:
weekdayOf5th
- Type:Integer
-
アクション「変数の設定」を追加し、以下の式を入力:
Value欄で「/」と入力すると式の入力ができるようになります。
(fxボタンを押して式モードに切り替えることができるのでそこで入力してもOKです)
これで「今月の5日が何曜日か」を取得できます。
3. 今日の日付と曜日を取得
-
変数
todayDay
を初期化(型はInteger)し、以下の式で設定:
-
変数
todayWeekday
を初期化(型はInteger)し、以下の式で設定:
4. 条件分岐の構築
A. 5日が土日だった場合の前倒し処理
条件アクションを追加し、以下のOR条件を設定:
もし、5日が土日だったら、前倒しの処理を行いたいので、5日が土日かどうかを判定します。
曜日の数値は以下の通りです:
曜日 | 数値 |
---|---|
日曜日 | 0 |
月曜日 | 1 |
火曜日 | 2 |
水曜日 | 3 |
木曜日 | 4 |
金曜日 | 5 |
土曜日 | 6 |
つまり、5日が「0(日曜)」または「6(土曜)」だったら土日ということです。
この条件が真(True)だった場合、さらに今日が「3日 or 4日」で、かつ「平日」だったら前倒しで処理を実行します。
→ Trueなら、前倒しでアクション(例:メール送信)を実行
B. 5日が平日だった場合の通常処理
「5日が土日だったら」のFalse側に条件を追加:
→ これが真(True)なら、通常通り5日にアクションを実行
▼全体フロー
✅ 実行パターンの整理
状況 | 実行日 | 処理 |
---|---|---|
5日が土日 | 3日または4日(平日) | 前倒しで実行 |
5日が平日 | 5日 | 通常実行 |
その他の日 | - | 実行しない |
📝注意点:祝日は別対応が必要
今回の方法では「土日判定」はできますが、祝日は含まれていません。祝日対応を行うには、祝日カレンダー(たとえばGoogleカレンダーやSharePointリスト等)と連携し、追加の条件判定が必要になります。
今後は祝日判定を含めたフローもご紹介予定ですので、続報をお待ちください!
🔚まとめ
Power Automateクラウド版で「土日だったら前倒しで実行する」フローは、条件式をうまく使うことで意外とシンプルに構築できます。日次で実行されるように設定すれば、振込処理やルーチン業務の自動化にも大活躍します。
日付ロジックに関するフロー設計は少し複雑ですが、一度組んでしまえば再利用もしやすくなりますので、ぜひ試してみてくださいね!
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