ここ最近、ChatGPTやGemini、Microsoft Copilotなどの生成AIを業務に取り入れる動きがどんどん広がっています。
実際、ICT総研の調査(2024年)では、日本国内でよく使われている生成AIは以下のとおりです。
参照:https://ictr.co.jp/report/20240830.html
この記事では、「どのAIを使えばいいの?」という悩みに触れつつ、業務で使うときに気をつけたい「オプトアウト設定」について解説していきます。
主要3ツールをざっくり比較(筆者の主観あり)
それぞれのAIには特徴がありますが、筆者の印象としては次のような感じです。
● ChatGPT(OpenAI)
文章の自然さや雑談力が高く、人間らしさのある受け答えが特徴です。文章の要約や文書作成にも強みがあります。
● Gemini(Google)
Google検索との親和性が高く、調べ物やGoogle Workspaceとの連携(Gmail、Docsなど)が得意な印象です。
● Microsoft Copilot
ChatGPTベースの技術を使っていますが、Microsoft 365に統合されているため、WordやExcelなどの業務ツールとの相性が抜群です。その分、商用設計のため制約やポリシー設定も多めなので、業務以外にも利用したい!という方にはやや不向きかも。
初心者はどれを選べばいい?
結論から言うと、「どれでもいい」です。
大きな性能差や料金差はなく、基本的な使い方であればどれも高いレベルで利用できます。
あえて選び方を挙げるとすれば、次のような視点がおすすめです。
好みに合わせて、使いやすいものから試してみるのが良いでしょう。
業務で使うなら一番大切なのは「情報の扱い」
どのツールを使うか以上に重要なのが、情報の取り扱いへの意識です。
生成AIには、ユーザーが入力した内容を「AIの学習データ」として利用する設定が初期状態でオンになっていることが多くあります。
そのため、業務で使う際には機密情報が勝手に学習に使われないようにする対策が必要です。
オプトアウトしないと、何が起きるのか?
もしオプトアウトをしないまま業務データを入力してしまうと、その内容がAIの学習データとして保存され、将来的に他のユーザーの回答の中に類似の情報が含まれる可能性があります。
たとえば、「顧客名」「取引金額」「社内ルール」といった情報が、他人の質問への回答にうっすら登場するようなケースです。
もちろん、個人や企業が特定されるような情報がそのまま出てくる可能性は低いですが、“意図しない形で情報が共有される”というリスクはゼロではありません。
このリスクを避けるには、必ずオプトアウト設定を有効にしておくことが重要です。
業務利用で最低限おさえておきたいポイント
1. オプトアウト設定を確認する
「オプトアウト」とは、AI側に「自分の入力を学習に使わないで」と伝える設定です。
主要ツールのオプトアウト状況は以下の通りです。
どのAIでも、設定画面やアカウントメニューからオプトアウトの有無が確認できます。業務での利用前には必ずチェックしましょう。
▼ChatGPTのオプトアウト設定
1.右上のアカウント画面から「設定」を選択
2.データコントロール→すべての人のためにモデルを改善するを「オフ」に設定
3.さらに履歴を残したくない場合は、一時チャットを使うと安心です
なお、当ブログでよく扱っているGASやPADとChatGPTを組み合わせた自動化ですが、こちらで使用するChatGPT APIは学習対象外となっています。ですので、業務で使っても情報が他ユーザーに漏れる心配は基本的にありません。
▼Geminiのオプトアウト設定
1.Googleのアクティビティ管理ページにアクセスする。
2.「Geminiアプリ アクティビティ」を探す。(筆者は左サイドバーの「その他のアクティビティ」の中にありました)
3.トグルボタンをオフにする
2. 個人情報や社外秘データは入力しない
オプトアウト設定をしていても、「絶対に安全」とは言い切れません。
AIに入力した内容は一時的に保存されるケースもあり、システムの不具合や外部攻撃など、リスクがゼロになることはありません。
ですので、個人情報・顧客情報・未公開の資料などは、そもそもAIに入力しないことが重要です。
「オプトアウトすれば安心」…とは限らないけれど
「オプトアウト設定をしたから情報漏洩の心配は一切ない」と思いたいところですが、実際にはそうとも限りません。
たとえば、サービス提供側(OpenAIやGoogleなど)が内部的に会話内容をモニタリング可能な場合もあり、どんなに設定を工夫しても“完全に見られない”保証はないのが現実です。
とはいえ、それを言い始めるとクラウドサービス全般が使えなくなってしまいますし、GoogleワークスペースもM365も電子メールも何も利用しない!仕事の仕方なんて、今の時代、現実的ではありませんよね。
なので、「基本的な対策をした上で、AIの恩恵をうまく活かす」というスタンスが大切だと筆者は考えています。
まとめ:AIは便利。でも“設定”を見落とさないで
業務にAIを取り入れると、大幅に作業効率が上がる場面がたくさんあります。
しかし、それと同じくらい重要なのが、データの取り扱いへの注意です。
-
オプトアウト設定を確認する
-
入力内容に気をつける
-
ツールの特徴や制限を知る
この3点を意識するだけで、生成AIを安心して業務に活用することができます。
ツール選びに迷うより、まずは「安全に使う準備」ができているかを確認する。
それが、生成AI活用の第一歩になるのではないでしょうか。
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